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2011年10月 アーカイブ

小型乗用車の開発

ここにおいて、問題は外車の輪入自由化までのタイムスケジュールのなかで、総合自動車メーカーの企業体を構築するにはどうすべきかにしぼられます。


政府は35年6月の貿易・為替自由化促進閣僚会議で、3年後80%の自由化達成を目標とする自由化計画を決定しています。


・・・ついでながら日本が国際通貨基金8条国に移行したのは39年4月1日。


次いで乗用車の完成車輪入自由化が実施されたのは、翌40年10月1日のことです。


・・・情勢は時間的に切迫しています。


まずは中古車情報の多い小型乗用車の開発を急がねばなりません。


小型乗用車を作って、売って、量産の軌道に乗せ、企業の足腰を強化することが何より先決です。


こうして35年のうちに、600~800㏄クラスに照準をおく小型乗用車の開発準備が始動しました。


いささか旧聞に属しますが、恒次社長は東洋工業が昭和の初期にマツダ号三輪車を開発した当初からその陣頭指揮に当たり、戦後に続く長い期間、三輪車王国を築いた人です。


ある戦略

社長は新製品の市場開拓に、身をもって苦心の経験を積んだ人です。


内に苦労人としての人徳を備え、外には頭の回転の早いことで聞こえていました。


今、小型乗用車の開発をスタートするに当たり・・・


まっ先に考えたのは、中古車検索の多い新小型乗用車は大量販売を実現しなければならないのは当然として、どうすればそれを達成できるかの戦略でした。


小型乗用車の市場に打って出るとなれば、強敵トヨタ、日産のモデルとの競合は避けられません。


それより何より、知名度の若いマツダモデルに、顧客の眼を吸引する何かがなければ勝ち目はありません。


この段階で恒次社長の脳裡をふとよぎったものがあります。


それはこの年(35年)の元旦に、あまたの年賀状にまじって届いた西ドイツからの1通の航空便でした。


差出人は西ドイツで機械関係の商社を経営するフォルスターと言い、東洋工業の先代社長松田重次郎と親交のあった人です。

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